はくぶつし
博物誌

冒頭文

影像(すがた)の猟人(かりうど) Le Chasseur d'images 朝早くとび起きて、頭はすがすがしく、気持は澄み、からだも夏の衣裳(いしょう)のように軽やかな時にだけ、彼は出かける。別に食い物などは持って行かない。みちみち、新鮮な空気を飲み、健康な香(かおり)を鼻いっぱいに吸いこむ。猟具(えもの)も家へ置いて行く。彼はただしっかり眼をあけていさえすればいいのだ。その眼が網の代

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 博物誌
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1954(昭和29)年4月15日