たいしょうじょりゅうはいくのきんだいてきとくしょく
大正女流俳句の近代的特色

冒頭文

前期雑詠時代 大正初期のホトトギス雑詠に於ける婦人俳句は、女らしい情緒の句が大部分であったが、大正七年頃より俄然、純客観写生にめざめ来り、幾多の女流を輩出して近代的特色ある写生句をうむに到った。実に大正初期雑詠時代は元禄以来の婦人俳句が伝統から一歩、写生へ突出した転換期である。     一 近代生活思想をよめる句 (1) 近代生活をよめる句 凡そ現代人ほど生活を愛し、生活に興味

文字遣い

新字新仮名

初出

「ホトトギス」1928(昭和3)年2月

底本

  • 杉田久女随筆集
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 2003(平成15)年6月10日