はつめいこぞう
発明小僧

冒頭文

自動車用ペンキ爆弾(ばくだん) これは特種の赤ペンキをタップリ含んでいるピンポン球(だま)ぐらいの小球(しょうきゅう)にして、叩きつけると、すぐ、壊れるものなり。携帯に便にして、ポケットに四つや五つ忍ばせても大丈夫なり。 その使用目的は、雨天の折など、向うから自動車が狭い路にも係(かかわ)らず泥をハネかしながらやってくるごとき場合に、「気をつけろ」と注意を与えても、先方が聞き入

文字遣い

新字新仮名

初出

「モダン日本」1934(昭和9)年1月~6月

底本

  • 海野十三全集 別巻2 日記・書簡・雑纂
  • 三一書房
  • 1993(平成5)年1月31日