くびちょうだい
首頂戴

冒頭文

一 サラサラサラと茶筌の音、トロリと泡立った緑の茶、茶碗も素晴らしい逸品である。それを支えた指の白さ! と、茶碗が下へ置かれた。 茶を立てたのは一人の美女、立兵庫にお裲襠(かいどり)、帯を胸元に結んでいる。凛と品のある花魁(おいらん)である。 むかいあっているのは一人の乞食、ひどい襤褸(ぼろ)を纏っている。だが何んと顔は立派なんだろう! ムッと高い鼻、ギュッと締まった口、眼に一脈の熱

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 妖異全集
  • 桃源社
  • 1975(昭和50)年9月25日