へきりゅうけいず
日置流系図

冒頭文

帷子姿の半身 トントントントントントン……トン。 表戸を続けて打つ者がある。 「それまた例のお武家様だ……誰か行って潜戸(くぐり)を開けてやんな」 こう忠蔵は云いながらズラリと仲間を見廻したが俺が開けようというものはない。 トントントントンとそう云っている間も戸外(そと)では続けざまに戸を叩く、森然森然(しんしん)と更けた七月の夜の所は本所錦糸堀でひたひたと並

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪しの館 短編
  • 国枝史郎伝奇文庫28、講談社
  • 1976(昭和51)年11月12日