いしころみち
石ころ路

冒頭文

島へ着いた翌日から強い風が出て、後三日にわたって吹いて吹き捲(まく)った。雨も時々まじったが、何より風の強さに驚いた。島の人に訊(き)くと、こんな風ならしょっちゅうだと言う。もっとひどいときのはどんなだろうと思った。 僕の着いた日は、海にうねりこそあったが、穏かなうす曇りで、船から望んだときの三宅島はその火山島らしい円錐形(えんすいけい)の半ばの高さから下方は淡緑色に蔽(おお)われて、陸

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本文学全集 88 名作集(三)
  • 集英社
  • 1970(昭和45)年1月25日