たんていものがたりのしょじょさく
探偵物語の処女作

冒頭文

私は元来自分で読物を書くなどと云う考(かんがえ)は無かった。唯(た)だ私の叔父が裁判官であって、私は子供の時から、色々裁判に関することを見もし、聞きもして、能(よ)く「誤判例」などを読んで、悪人で有った者が死後には善人で有ったり、或は善人だと思って居た者が、大悪人で有ったりする事実を知り、其方(そのほう)に大(おおい)に趣味を懐くことに為(な)りました。左様(そう)いうことを世人の誤ら無いように為

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎集
  • 創元推理文庫、東京創元社
  • 1984(昭和59)年12月21日