きゅうぶんにほんばし 01 じょぶん/じじょ
旧聞日本橋 01 序文/自序

冒頭文

序文 長谷川時雨(しぐれ)は、生粋(きっすい)の江戸ッ子ということが出来なければ、生(はえ)抜きの東京女だとは言えるであろう。彼女の明治初期の首都の中心日本橋油町(あぶらちょう)に法律家を父として生れて、最も東京風な家庭教育の下に育って来た女だ。彼女は寺小屋風が多分に遺(のこ)った小学校に学んだり、三味線、二絃琴(にげんきん)の師匠にも其処(そこ)で就いた。時雨は現在では、さまざまの思想

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旧聞日本橋
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1983(昭和58)年8月16日