にゅういんかんじゃ
入院患者

冒頭文

私の友シャーロック・ホームズ独特な人格をよく出しているお話をしようと思って、たくさんの私の記憶をさがす時、私はいつもあらゆる方面から私の目的に添うような話をさがし出そうとして苦労するのである。なぜなら、ホームズがその心理解剖に全力を注いだと思われるような事件、あるいはまた犯罪捜査に特別な方法を見せたと思われような事件は、事実において、みなさんにお話してもつまらないだろうと思われるような簡単な普通な

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界探偵小説全集 第三卷 シヤーロツク・ホームズの記憶
  • 平凡社
  • 1930(昭和5)年2月5日