じあまりのわかはいく
字余りの和歌俳句

冒頭文

短歌三十一文字と定まりたるを三十二文字乃至三十六文字となし俳諧十七字と定まりたるを十八字乃至二十二三字にも作る事あり。これを字餘りと云ふ。而して字餘りを用うるは例外の場合にて常に用うべきにあらずとは歌人俳諧師等が一般に稱へ來れる掟なり。されど此掟程謂(いは)れなき者はあらじ。 三十一文字と定め十七文字と定めし事もと是れ人間が勝手につくりし掟なればそれに外れたりとて常に用うべきにあらずとは

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「日本」1894(明治27)年8月20日

底本

  • 子規全集 第七卷 歌論 選歌
  • 講談社
  • 1975(昭和50)年7月18日