ゆいしんてき、はんしんてきけいこうについて(しょうぜん)
唯心的、凡神的傾向に就て(承前)

冒頭文

女学雑誌社を代表者として、現出せし一派の流行思想(カレント、ソート)(吾人(われら)は之れを唯心的、凡神的の傾向と云ふ、直ちに之を唯心論、凡神論なりとは曰はず)は左の現象を示したり。 (一)個人の品位を認識せざること。人は個人として此世に生れたり、個人として其特性を有し、其天職を有し、其権利を有す。若(も)し国家を以て個人の特性、天職、権利を殺さんとせば人は必らず其不可を尤(とが)めん。然れ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「国民新聞」1893(明治26)年4月19日

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年6月5日