はんしんてきゆいしんてきけいこうについて
凡神的唯心的傾向に就て

冒頭文

三個の青年、草庵に渋茶を煎(せん)じて炉を囲む、一人は円顱(ゑんろ)に道服を着たり、一人は黒紋付の上に袈裟(けさ)を掛けたり、三人対座して清談久し。やがて其歌ふを聞けば曰く 天地乾坤(けんこん)みな一呑や草の庵 大千起滅す一塵(いちぢん)の裡(うち) 味ひ得たり渋茶一ぱい 利刃一閃浮世を斬(きつ)て真ッ二ツ 活血(くわつけつ)流れよ未来万年    (白表女学雑誌)

文字遣い

新字旧仮名

初出

「国民新聞」1893(明治26)年4月16日

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年6月5日