じんせいのいぎ |
人生の意義 |
冒頭文
人間の外に人間を研究すべき者なし、ライフある者の外にライフを研究すべき者なし。近頃ライフの一字、文学社会に多く用ひらるゝに至れるを見て、ひそかに之を祝せんとするの外、豈(あに)敢て此大問題を咄嗟(とつさ)の文章にて解釈することをせんや。然るに吾人が爰(こゝ)にて物好きにも少しくライフの意義に就きて言はんと欲するに至りたるは、決して偶然の事にあらざるなり。 ライフの一字に真正の解釈を加へん
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文學界 五號」文學界雜誌社、1893(明治26)年5月31日
底本
- 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
- 筑摩書房
- 1969(昭和44)年6月5日