そうだんだん(2)
想断々(2)

冒頭文

兵甲と国家 兵甲を以て国威を張るは変(へん)なり。兵甲は寧(むし)ろ国家を弱め、人心を危うするに足るも、以て大(おほい)に国力を養ひ、列国に覇(は)たらしむる者にあらず。国の本真(ほんしん)は気にあり。気若し備はらば業(げふ)挙らむ。凡(およ)そ業なくして勇を談ずるは、仮勇なり。業は以て地歩を堅うし、仮勇は以て自(みづか)らを危うす。     請ふ米国を視よ 米国は迺(すなは)ち

文字遣い

新字旧仮名

初出

「平和 一號」平和社(日本平和會)、1892(明治25)年3月15日

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年6月5日