めいじぶんがくし
明治文学史

冒頭文

序論 飛流直下三千丈、疑是銀河落九天。 是豈(あに)明治の思想界を形容すべき絶好の辞に非(あら)ずや。優々閑々たる幕府時代の文学史を修めて明治の文学史に入る者奚(いづくん)ぞ目眩し心悸(しんき)せざるを得んや。 文学は即ち思想の表皮なり、乞ふ思想の変遷を察せしめよ。 封建の揺籃(えうらん)恍惚(くわうこつ)たりし日本は頓(にはか)に覚めたり。和漢の学問に牢せられ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「国民新聞」1893(明治26)年3月1日~5月7日

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1974(昭和44)年6月5日