えいゆうろん めいじにじゅうさんねんじゅういちがつとうかしずおかげきじょうわかたけざにおいてえんぜつそうこう
英雄論 明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿

冒頭文

金色人種に、破天荒(はてんくわう)なる国会は、三百議員を以て、其開会を祝さんとて、今や仕度(したく)最中なり、私権を確定し、栄誉、財産、自由に向て担保を与ふべき民法は、漸(やうや)く完全に歩みつゝあり、交通の女王たる鉄道は何(いづ)れの津々浦々にも、幾千の旅客を負ふて、殆(ほと)んど昼夜を休(や)めざる也、日本の文明は真個に世界を驚殺せりと云べし、三十年前、亜米利加(アメリカ)のペルリが、数発の砲

文字遣い

新字旧仮名

初出

「女学雑誌」1891(明治24)年1月

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1974(昭和44)年6月5日