ふくしゅう・せんそう・じさつ |
復讐・戦争・自殺 |
冒頭文
復讐 人間の心界に、頭は神にして脚は鬼なる怪物棲(す)めり。之を名(なづ)けて復讐と云ふ。渠(かれ)は人間の温血を吸ひて人間の中に生活する無形動物にして、古(いにし)へより渠が為に身を誤りたるもの、渠によりて志を得たるもの、渠の為に苦しみたるもの、渠の為に喜びたるもの、挙(あげ)て数ふべからざるなり。 見よ、戯曲は渠を以て上乗の題目とするにあらずや、見よ、世間は渠を以て尊ふとむべき
文字遣い
新字旧仮名
初出
底本
- 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
- 筑摩書房
- 1974(昭和44)年6月5日