だいぼさつとうげ 38 のうどのまき
大菩薩峠 38 農奴の巻

冒頭文

一 近江の国、草津の宿の矢倉の辻の前に、一ツの「晒(さら)し者(もの)」がある。 そこに一個の弾丸黒子(だんがんこくし)が置かれている。往来の人は、その晒し者の奇怪なグロテスクを一目見ると共に、その直ぐ上に立てられた捨札を一読しないわけにはゆかぬ。その捨札には次の如く認(したた)められてあります。 [#ここから3字下げ、罫囲み、1行7字] この者、農奴の分際を以て恣にてうさ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大菩薩峠18
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年8月22日