かものきげき
鴨の喜劇

冒頭文

ロシヤの盲目詩人エロシンコ君が、彼の六絃琴(げんきん)を携えて北京(ペキン)に来てから余り久しいことでもなかった。彼はわたしに苦痛を訴え 「淋しいな、淋しいな、沙漠の上にある淋しさにも似て」 これは全く真実の感じだ。しかしわたしは未(いま)だかつて感得したことが無い。わたしは長くここに住んでいるから「芝蘭(しらん)の室に入れば久しうしてその香を聞かず」ただ非常に騒々しく思う。しかしわた

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯迅全集
  • 改造社
  • 1932(昭和7)年11月18日