だいぼさつとうげ 33 ふわのせきのまき |
| 大菩薩峠 33 不破の関の巻 |
冒頭文
一 経済学と科学が、少しく働いて多く得ることを教えると、人間の慾望はそれに拍車を加えて、ついには最も少しく働くか、或いは全く働かないで、最も多くをせしめるように増長して行こうとするのに、最も多くを働いて、最も少なく得ることに満足し、それを楽しんで生きて行くものがあるならば、それは奇特というよりは、馬鹿という部類のものに属すべきものの仕事でしょう。 ところが、与八の働きぶりというものがそれでした
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 大菩薩峠14
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1996(平成8)年6月24日