さとうはるおしのこと
佐藤春夫氏の事

冒頭文

一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。或は誰よりも先にと云えるかも知れず。 二、されば作品の特色もその詩的なる点にあり。詩を求めずして佐藤の作品を読むものは、猶南瓜(かぼちゃ)を食わんとして蒟蒻(こんにゃく)を買うが如し。到底満足を得るの機会あるべからず。既に満足を得ず、而して後その南瓜ならざるを云々するは愚も亦甚し。去って天竺の外に南瓜を求むるに若かず。 三、佐藤の作

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1995(平成7)年1月10日