ごうりてき、どうじにたりょうのにんげんみ ――そうごいんしょう・きくちかんし――
合理的、同時に多量の人間味 ――相互印象・菊池寛氏――

冒頭文

菊池は生き方が何時も徹底している。中途半端のところにこだわっていない。彼自身の正しいと思うところを、ぐん〳〵実行にうつして行く。その信念は合理的であると共に、必らず多量の人間味を含んでいる。そこを僕は尊敬している。僕なぞは芸術にかくれるという方だが、菊池は芸術に顕われる——と言っては、おかしいが、芸術は菊池の場合、彼の生活の一部に過ぎないかの観がある。一体芸術家には、トルストイのように、その人がど

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1995(平成7)年1月10日