にかかいそのた
二科会その他

冒頭文

安井氏の絵はだんだんに肩の凝りが解けて来たという気がする。同時にだんだん東洋人らしいところが出て来るように見える。もう一歩進むと結局南画のようなものに接近する可能性を持っているのではないかと思われる。あの裸体の少女でも、あれを少しどうかすると支那画の童子のような感じが出そうである。 そう云えば、すぐ隣りにある山下氏の絵にもやはり東洋人が顔を出している。雪景色の絵などはどこか広重(ひろしげ

文字遣い

新字新仮名

初出

「明星」1925(大正14)年10月1日

底本

  • 寺田寅彦全集 第八巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年7月7日