つだせいふうくんのえとなんがのげいじゅつてきかち
津田青楓君の画と南画の芸術的価値

冒頭文

私は永い前から科学と芸術、あるいはむしろ科学者と芸術家との素質や仕事や方法に相互共通な点の多い事に深い興味を感じている。それで嗜好趣味という事は別として、科学者として芸術を論じるという事もそれほど不倫な事とは思われない。のみならず自身に取っては芸術上の問題を思索する事によって自分の専門の事柄に対して新しい見解や暗示を得る事も少なくないのである。それと同時に、科学者の芸術論が専門の芸術評論家の眼から

文字遣い

新字新仮名

初出

「中央公論」1918(大正7)年8月1日

底本

  • 寺田寅彦全集 第八巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年7月7日