カントとげんだいのかがく |
カントと現代の科学 |
冒頭文
J. v. Kries の『カント、及び現代の自然研究に対するカントの意味』の要領を紹介して見ようと思う。之はカント二百年記念に際して出版されたカント文献の内でも偉出したものの一つに数えられそうであるが、論じられた諸問題には豊富な内容的知識が含まれていると共に吾々にとって寧ろ興味ある種々の疑問が無くはないかと考えられる。私は之に対して批評を下すことは敢てしないがその代り之を出来るだけ簡単に要約して
文字遣い
新字新仮名
初出
「哲学研究 第九巻第一〇五号」
底本
- 戸坂潤全集 第一巻
- 勁草書房
- 1966(昭和41)年5月25日