だいぼさつとうげ 29 あいちのまき
大菩薩峠 29 年魚市の巻

冒頭文

年魚市(あいち)は今の「愛知」の古名なり、本篇は頼朝、信長、秀吉を起せし尾張国より筆を起せしを以てこの名あり。         一 今日の黄昏(たそがれ)、宇治山田の米友が、一本の木柱(ぼくちゅう)をかついで田疇(でんちゅう)の間をうろついているのを見た人がある。 その木柱は長さ約二メートル、幅は僅かに五インチに過ぎまいと思われます。 これを甲州有野村の藤原家の供養

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大菩薩峠11
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年5月23日