だいぼさつとうげ 25 みちりやのまき
大菩薩峠 25 みちりやの巻

冒頭文

一 武州沢井の机竜之助の道場に、おばけが出るという噂(うわさ)は、かなり遠いところまで響いておりました。 ここは塩山(えんざん)を去ること三里、大菩薩峠のふもとなる裂石(さけいし)の雲峰寺(うんぽうじ)でもその噂であります。 その言うところによると、この間、一人の武者修行の者があって、武州から大菩薩を越え、この裂石の雲峰寺へ一泊を求めた時に、雲衲(うんのう)が集まっての炉

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大菩薩峠10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年4月24日