がくせいとどくしょ ――いかにしょをよむべきか――
学生と読書 ――いかに書を読むべきか――

冒頭文

一 書とは何か 書物は他人の労作であり、贈り物である。他人の精神生活の、あるいは物的の研究の報告である。高くは聖書のように、自分の体験した人間のたましいの深部をあまねく人類に宣伝的に感染させようとしたものから、哲学的の思索、科学的の研究、芸文的の制作、厚生実地上の試験から、近くは旅行記や、現地報告の類にいたるまで、ことごとく他人の心身の労作にならぬものはない。そしてそのような他人の労作の背後

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 青春をいかに生きるか
  • 角川文庫、角川書店
  • 1953(昭和28)年9月30日