のぐちひでよはかせのせいかをおとないて (のぐちきねんかんのせつりつをきぼうす)
野口英世博士の生家を訪ひて (野口記念館の設立を希望す)

冒頭文

東京朝日新聞に、『世界人の横顏』の第十六回野口英世のそれが、北島博士の筆で面白く書かれたのを讀んだのは半年前である。甚だ漠然としてゐる言葉だが『世界人』とは文明世界一般に廣く知られてゐる偉人といふ意味であらう。但し名が喧傳すると共に眞に世界の文化に貢獻して多大の恩惠を施し、その報として眞に受くべき光榮を世界から受けた人なら一層ありがたい、文字通りにも有り難い、野口は正にかゝる種類の世界人で、日本の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 雨の降る日は天気が悪い
  • 大雄閣
  • 1934(昭和9)年9月23日