ふぶきのユンクフラウ
吹雪のユンクフラウ

冒頭文

一 アルプス連峰の容姿の目ざめるような美しさにいきなり打たれたのは、ベルンに着いてベルヴュー・パラース(ホテル)の二階の部屋に通された瞬間だった。南東を受けた大きな窓一ぱいに遠く雪を戴いた山々が一列に並んで、時刻はもう十九時(午後七時)を過ぎているのに日中の光のまだ残ってる碧空に、くっきりと鮮やかな空劃線(スカイライン)を描き出してる美しさ! 尖峰の数は目分量で三十から四十もあろうか? 鋭くとん

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第六巻 イタリア、スイス編
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年10月20日