おとめのきとアブ・サルガ
処女の木とアブ・サルガ

冒頭文

一 カイロに着いた翌日、町の北東五マイルほどの郊外にある昔のヘリオポリス(日の町)の遺跡にウセルトセン一世の建てたエジプト現存第一の大オベリスクを見に行った。そのついでに車を廻して、そこからあまり遠くない所にある「処女(おとめ)の木」を見物した。 その辺はマタリアと呼ばれる部落で、五千年前のヘリオポリスの殷賑などはいくら想像を働かしても実感することのできないほどに今は荒れさびれてい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第十六巻 ギリシア、エジプト、アフリカ編
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年6月20日