ヴェルダン
ヴェルダン

冒頭文

一 世界情勢の高速度的推移の中には、今ごろヴェルダンの戦場を見物したりすることを何だか Up-to-date でなく思わせるようなものがある。私たちがヴェルダンに行ったのは咋年(一九三九年)の初夏、まだ今度の大戦の始まらないうちではあったけれども、その時でさえすでに現代から懸け離れた一種の古戦場でも弔うような気持があった。ところが、それから二三箇月もすると、いよいよ新しい戦争の幕は切って落さ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第二巻 フランス編Ⅱ
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年2月20日