ワイナハト・イム・ベルリン
伯林の降誕祭

冒頭文

独逸でのクリスマスを思い出します。 雪が絶間もなく、チラチラチラチラと降って居るのが、ベルリンで見て居た冬景色です。街路樹の菩提樹の葉が、黄色の吹雪を絶えずサラサラサラ撒きちらして居た。それが終ると立樹の真黒な枝を突張った林立となる。雪がもう直ぐに来るのです——そしてクリスマス。 バルチック海から吹き渡って来る酷風が、街の粉雪(ふぶき)の裾を斜(ななめ)に煽る。そして行き交う厚

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第七巻 ドイツ編
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年8月20日