独逸でのクリスマスを思い出します。 雪が絶間もなく、チラチラチラチラと降って居るのが、ベルリンで見て居た冬景色です。街路樹の菩提樹の葉が、黄色の吹雪を絶えずサラサラサラ撒きちらして居た。それが終ると立樹の真黒な枝を突張った林立となる。雪がもう直ぐに来るのです——そしてクリスマス。 バルチック海から吹き渡って来る酷風が、街の粉雪(ふぶき)の裾を斜(ななめ)に煽る。そして行き交う厚