パリのうたうたい
巴里の唄うたい

冒頭文

彼等の決議 市会議員のムッシュウ・ドュフランははやり唄は嫌いだ。聴いていると馬鹿らしくなる。あんな無意味なものを唄い歩いてよくも生活が出来るものだ。本当に生活が出来るのかしら——こう疑い始めたのが縁で却ってだんだん唄うたいの仲間と馴染が出来てしまった。それに彼の生来の世話好きが手伝って彼はとうとう唄うたいの仲間の世話役になってしまった。 いま巴里には町の唄うたいが三百人ばかりいる。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第二巻 フランス編Ⅱ
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年2月20日