がいとう (パリのあるゆうべ)
街頭 (巴里のある夕)

冒頭文

二列に並んで百貨店ギャラレ・ラファイエットのある町の一席を群集は取巻いた。中には雨傘の用意までして来た郊外の人もある。人形が人間らしく動く飾物を見ようとするのだ。 百貨店の大きな出庇(でびさし)の亀甲形(きっこうがた)の裏から金色の光線が頸の骨を叩き付けるほど浴せかける。右から左から赤や水色の紫外光線が足元を掬(すく)う。ここでは物は曖昧でいる事は許されない。明るみへ出て影を捥(も)ぎと

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界紀行文学全集 第二巻 フランス編Ⅱ
  • 修道社
  • 1959(昭和34)年2月20日