りんじきゅうこうれっしゃのふんしつ
臨時急行列車の紛失

冒頭文

はしがき 死刑を宣告されて今マルセイユ監獄に繋がれているヘルバルト・ドゥ・レルナークの告白は、私の信ずるところでは、どこの国の犯罪史を繙(ひもと)いてみても、絶対的に先例が無かっただろう‥‥‥と思われるような、あの異常な事件の上にようやく一道の光明を投げあたえた。官辺では、この事件を論ずることを明らかに避けているけれど、そして新聞もそれに調子を合せてほとんど沈黙を守っているけれど

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年 第二卷 第四號」博文館、1921(大正10)年3月13日

底本

  • 「新青年」復刻版 大正10年(第2巻)合本2
  • 本の友社
  • 2001(平成13)年1月10日