ひらたせんせいのほんやく
平田先生の翻訳

冒頭文

国民文庫刊行会の「世界名作大観」の第一部の十六冊の——どうも少し長い。が、兎に角国民文庫刊行会の「世界名作大観」の第一部の十六冊の大部分は平田禿木先生の翻訳である。平田先生にはまだ一度しか御目にかかつたことはない。が、好男子で、もの優しくて、美しい声をしてゐて——要するに如何にも往年の「文学界」同人の一人らしい、甚だ瀟洒とした先生である。この瀟洒とした先生が国民文庫刊行会の「世界名作大観」の第一部

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 芥川龍之介全集 第十二巻
  • 岩波書店
  • 1996(平成8)年10月8日発行