サレーダインこうしゃくのざいごう
サレーダイン公爵の罪業

冒頭文

一 フランボーがウェストミンスターにある彼の探偵事務所の仕事を一月休んだ時に、彼は撓舟(かいぶね)のように小さい、一艘の小型の帆艇(ヨット)に乗って旅に出た。東部諸州の小さい川を通った時、それはあまりに小さいので、ちょうど魔法船が陸の牧場(ぼくじょう)や麦畑の中を帆走(はし)って行くように見えた。舟は二人乗として快適なものであった。そして必要品を置くに足るだけの場所のみで、フランボーはそこに

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界探偵小説全集 第九卷 ブラウン奇譚
  • 平凡社
  • 1930(昭和5)年3月10日