しょうこくかみん |
小国寡民 |
冒頭文
放翁東籬の記にいふ、 「放翁告帰(退官して隠居すること)の三年、舎東の茀地(ぶつち)(草の生ひしげる土地)を闢く。南北七十五尺、東西或ひは十有八尺にして贏(の)び、或ひは十有三尺にして縮まる。竹を插んで籬(り)と為す、其地の数の如し。五石瓮(かめ)を薶(うづ)め、泉を瀦(た)めて池と為し、千葉の白芙蕖(蓮)を植う。又た木の品(木の類)若干と草の品若干を雑へ植う。之を名づけて東籬と曰ふ
文字遣い
新字旧仮名
初出
1945(昭和20)年9月1日稿
底本
- 河上肇著作集 第九巻
- 筑摩書房
- 1964(昭和39)年12月15日