「とっかん」げんじょ
「吶喊」原序

冒頭文

わたしは年若い頃、いろいろの夢を作って来たが、あとではあらかた忘れてしまい惜しいとも思わなかった。いわゆる囘憶(おもいで)というものは人を喜ばせるものだが、時にまた、人をして寂寞(せきばく)たらしむるを免れないもので、精神(たましい)の縷糸(いと)が已(すで)に逝ける淋しき時世になお引かれているのはどういうわけか。わたしはまるきり忘れることの出来ないのが苦しい。このまるきり忘れることの出来ない一部

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯迅全集
  • 改造社
  • 1932(昭和7)年11月18日