いえなきこ 01 (じょう)
家なき子 01 (上)

冒頭文

生い立ち わたしは捨(す)て子(ご)だった。 でも八つの年まではほかの子どもと同じように、母親があると思っていた。それは、わたしが泣(な)けばきっと一人の女が来て、優(やさ)しくだきしめてくれたからだ。 その女がねかしつけに来てくれるまで、わたしはけっしてねどこにははいらなかった。冬のあらしがだんごのような雪をふきつけて窓(まど)ガラスを白くするじぶんになると、この女の人

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 家なき子(上)
  • 春陽堂少年少女文庫、春陽堂
  • 1978(昭和53)年1月30日