しなじんかんにおけるしょくじんにくのふうしゅう
支那人間に於ける食人肉の風習

冒頭文

緒言 一國の歴史を闡明するには、その一國の記録だけでは不足を免れぬ。是非その國と關係深き他國の記録をも、比較參考する必要がある。支那歴史の研究者としては、支那本國の史料の外に、日本、朝鮮、安南等の記録を參考するは勿論、遠く西域諸國の記録をも利用せなければならぬ。兩漢以來、支那の國威が四表に張ると共に、その國情が次第にキリスト教國や、マホメット教國の間に傳はり、又此等遠西の諸國民も極東に觀

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東洋学報 第十四卷第一號」1924(大正13)年7月

底本

  • 桑原隲藏全集 第二卷
  • 岩波書店
  • 1968(昭和43)年3月13日