たんていしょうせつアルセーヌ・ルパン
探偵小説アルセーヌ・ルパン

冒頭文

一 今から三年前のことである。ブレスト発の列車がレンヌ駅に著(つ)いた時、その一貨車の扉の破壊されているのが見出だされた。この貨車はブレジリアの富豪スパルミエント大佐の借切ったもので、中には綴(つづ)れ錦の壁布を入れた箱がいくつも積込まれていたが、箱の一つは破られて、中の錦の一枚がなくなっていた。 スパルミエント大佐は、夫人と一緒に同じ列車に乗っていたが、これを知ると、鉄道会社

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 【婦人パンフレツト第八輯】アルセーヌ・ルパン
  • 婦人文化研究會
  • 1922(大正11)年12月15日