れんあいとめおとあいとをこんどうしてはならぬ
恋愛と夫婦愛とを混同しては不可ぬ

冒頭文

媒酌結婚で結構です 媒酌結婚と自由結婚との得失といふことは、結局、この二種の結婚様式が結婚後の生活の上に、如何なる幸福を導き出し、如何なる不幸を齎(もたら)すかといふことのやうに解せられる。併(しか)し結婚生活の幸福とは果して如何なることを意味するであらうか、それも考へなければならぬ。太く短く楽しむのか、細く長く楽しむのか、それとも又た夫婦間に衝突のある生活なのか、俄(には)かに決定する

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 芥川龍之介全集 第十一巻
  • 岩波書店
  • 1996(平成8)年9月9日発行