しょうせつのぎきょくか
小説の戯曲化

冒頭文

売文に関する法律は不備を極めてゐるやうである。たとへば或雑誌社に若干枚の短篇を一つ渡し、若干円を貰つたとする。その時その若干金は小説そのものだけを売つた金か、それとも小説の書いてある若干枚の原稿用紙を売つた金か、法律には何とも規定されてゐない。これは我我の原稿ならば兎も角、夏目先生の原稿にでもなれば当然問題を生ずる筈である。が、まあそんなことはどうでも好い。差当り頗(すこぶ)る困ることは或種の著作

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 芥川龍之介全集 第十一巻
  • 岩波書店
  • 1996(平成8)年9月9日発行