むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人

冒頭文

1 中川船長の話 これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴(こと)ノ緒(お)丸(まる)に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉(なかがわくらきち)先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。 四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 無人島に生きる十六人
  • 新潮文庫、新潮社
  • 2003(平成15)年7月1日