よんじゅうはちにんめ
四十八人目

冒頭文

一 毛利小平太(もうりこへいだ)は小商人(こあきゅうど)に身(み)を扮(やつ)して、本所(ほんじょ)二つ目(め)は相生(あいおい)町三丁目、ちょうど吉良左兵衛邸(きらさひょうえやしき)の辻版小屋筋違(すじか)い前にあたる米屋五兵衛こと、じつは同志の一人前原伊助(まえばらいすけ)の店のために、今日(きょう)しも砂村方面へ卵の買い出しに出かけたが、その帰途(かえりみち)に、亀井戸天神の境内(けい

文字遣い

新字新仮名

初出

「改造」1929(昭和4)年10月

底本

  • 日本文学全集18 鈴木三重吉 森田草平集
  • 集英社
  • 1969(昭和44)年9月12日