かぜはくさきにささやいた 01 かぜはくさきにささやいた
風は草木にささやいた 01 風は草木にささやいた

冒頭文

此の書を祖國のひとびとにおくる なんぢはなんぢの面に汗して生くべし 人間の勝利人間はみな苦んでゐる何がそんなに君達をくるしめるのかしつかりしろ人間の強さにあれ人間の強さに生きろくるしいかくるしめそれがわれわれを立派にするみろ山頂の松の古木(こぼく)をその梢が烈風を切つてゐるところをその音の痛痛しさその音が人間を力づける人間の肉に喰ひいるその音(ね)のいみじさ何が君達をくるしめるのか自分も斯うしてく

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 日本現代文學全集 54 千家元麿・山村暮鳥・佐藤惣之助・福士幸次郎・堀口大學集
  • 講談社
  • 1966(昭和41)年8月19日