ひでりぎつね
ひでり狐

冒頭文

一 ある夏、大変なひでりがしました。一月(ひとつき)ばかりの間、雨は一粒も降らず、ぎらぎらした日が照って、川の水はかれ、畑の土はまっ白に乾(かわ)き、水田(みずた)まで乾いてひわれました。そして田畑の作物(さくもつ)はもとより草や木までも、萎(しな)びて枯(か)れかかりました。 田舎(いなか)の人達は心配でたまりませんでした。そのままでゆけば、田畑の作物はみなだめになって、秋の収穫

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 豊島与志雄童話集
  • 海鳥社
  • 1990(平成2)年11月27日