一 むかし、ある山裾(やますそ)に、小さな村がありました。村のうしろは、大きな森から山になっていまして、前は、広い平野にうつくしい小川が流れていました。村の人たちは、平野をひらいて穀物(こくもつ)や野菜を作ったり、野原に牛や馬を飼ったりして、たのしく平和にくらしていました。 村の人たちは皆仲よしでした。それで、子供たちも皆お友だちでした。大人(おとな)たちがたんぼや牧場で働いている